お片付けの目標設定
▼▼▼2021年6月にラジオでお話ししたことをまとめています▼▼▼
何をするにも目標を明確にすることは大切ですが、それはお片付けでも同じです。
私がお片付けサポートに行った時に、1番初めにすることが、クライアント様と一緒に目標、お片付けのゴールを決めることなんです。
時間ももったいないし、さっさと片付け始めた方がいいじゃないか!と思うかもしれないんですが、どんな所が散らかりやすいか、どんなことにお困りかを確認して、じゃあそれを解決してどうなりたいかな?というゴールを考えることで、むしろ時間の短縮になります。
というか、ゴールを考えないでいきなり片付け始めると、一時的に片付くことは片付くかもしれませんが、リバウンドしてしまったり、片付けるのが辛くなったりしてしまうかもしれません‥
実は、私自身が目標設定を失敗したために、今の暮らしに行き着くまでに、すごい遠回りをしたんです。
しかも、迷走していたのは汚部屋時代だけではなく、資格をとろう!と決めて勉強を始めてからも。少なくとも1年くらいは迷走してました。
私が目標設定で失敗したポイントは3つです。
1、お片付けの目的がお片付けになってしまっている
2、誰かの考え方に影響されすぎている
3、誰かの暮らしを自分のゴールにしてしまっている
お片付けの目的がお片付けになっている
お片付けサポート先でお悩みをお伺いした時に、
「彩さん、見れば分かるでしょ?こんなに家中モノで溢れていて、ごちゃごちゃなのが嫌なんです、片付けたいんです」って言われること、結構多いです。
「片付けたい」っていう言葉、私もよく言っていたセリフなんですが、よく考えてみれば「片付けたい」わけではなかったと思うんです。
「モノが溢れていて困る」のはどんな時なのか、「ごちゃごちゃなのが嫌」なのは何故なのか、それを解決できた暮らし、片付けた先にある暮らしを目標にしないと、片付けがエンドレスになっちゃいます。
「ひと目でどこに何があるか分かるようにして、探し物を減らそう!」とか、「いつもテーブルの上が散らかっていてすぐ使えないから、すぐ使える状態をキープしたい」とか。
そうなったら片付いている!って合格を出せる状態を目標にすると、片付けに終わりがあります。
そうすると、お片付けが楽しくなってきます。
あとは、片付けてみたけどやっぱり乱れてしまう、という時に改善点も見えてきやすいので「じゃあこういう風に変えてみよう」って考えられます。
誰かの考え方に影響されすぎている
私が片付けの勉強始めたばかりの頃は、気負いがすごかったです。
都会で活躍する超有名アドバイザーさんのインスタ見ては、「生活感まるでないのが整理収納アドバイザーらしいくらしだ!」って焦ってみたり、「ミニマリスト並にモノ減らすことが良いことだ!」思って、捨てることをやたら自分に強いてみたり。
結果、「それができない私は、ダメなんだ」って考えになって、苦しくなってしまいます。
もちろん、ミニマリストや生活感のない暮らしがよくないということではありません。
シンプルな暮らしをしたい、その結果ミニマリストの考え方が自分に合っていた、ということではなくて、「ミニマリストになること」それ自体を目標にしてしまうと、「もっと捨てなきゃ、もっと減らさなきゃ、もっとモノをなくせばもっとすごいミニマリストになれる」という思考になりがちです。
「もっとすごい人はたくさんいるわ!」って、結局ゴールがなくなってしまうんですよね。
「モノを増やさない習慣や思考を身につけたいから、一日一個モノを捨てることを実践する」という一日一捨を手段にすることはモチベーションにつながるけど、一日一捨が目標になると、できなかった日は最悪な気分になりますよね。
目標はあくまで自分を基準にした方が良いということを、私は学びました。
モノを減らすこと、持たない暮らしっていいよね!という意識が浸透している一方、お片付けサポートに行った先では、モノを手放すことが苦しいという人もいます。
「すっきりした暮らしがしたい!」という気持ちと「お気に入りのモノを持っていたい!」という気持ち、どちらを優先するのが正しいなんてことないですよね。
誰かにとって最高の考え方でも、それが誰にとっても「正解」というわけではない。
誰かじゃなくて、自分はどうしたら心地いいのかを見失ってるこの時期、私は苦しかったです。
誰かの暮らしを自分のゴールにしている
私が、「誰かの考え方に影響されてたら苦しい」と気づいた後、「自分がしたい暮らしを実践してみよう!」と思ってやってみたのが、いわゆる「丁寧な暮らし」です。
今になってみれば、そんなズボラ人間のくせに丁寧な暮らしって!「血迷うな!」って思いますけど。
私、丁寧な暮らし、好きなんですね、見てるのが。
自然素材の服に、大好きな作家さんのなんとか焼きの器。お気に入りの豆で、お気に入りの道具で入れた香り豊かなコーヒー。
そういうのが憧れなんですが‥
実際は、服は汚れてもガンガン洗えてアイロン掛け不要なものを選びたいし、食洗機に入れられない食器は極力使いたくない。コーヒーは、缶コーヒーでも味よくわかんない!
丁寧な暮らし、続かないんです。
「憧れの暮らしができない自分、情けない」なんてへこまなくていいよ、むりすんな、と今なら冷静にツッコミます。
笑っちゃいますが、当時の私はいたってまじめで。
でも、ここから抜け出せたのは、片付け続けたからなんです。
「何に悩んでる?」「どうなりたい?」って自分に聞いて、悩みを解決するためには何が必要で何が必要じゃないのか考える、思考の癖みたいなモノができました。
丁寧な暮らしが心から楽しめるようになるのは、今のタイミングじゃないんじゃない?
そう思えたらやっと、誰かじゃなくて、自分にとっての、心地いい暮らしができるようになってきた気がします。
気持ちが楽になったからか、今は鍋でご飯を炊くとか、梅仕事をするとか、無理せず楽しめる「丁寧な暮らし」要素を取り入れたり、自分にとって行き過ぎない程度のミニマリスト精神を取り入れたり、前は苦しかったことが楽しめるようにもなりました。
こんなに目標設定で失敗しました!って話をすると、目標決めるの難しそうって思うかもしれないんですが、結局は、今目の前にある、小さなお悩みを解決することが、一歩「理想のくらし」に近づくことなんですよね。
それを繰り返していくと、自分の理想の暮らしにどんどん近づいていきます。
(こんなこと言うと、私の仕事減りそうなんですが)私は、お片付けサポートに行くたび「みなさん自分に厳しいなあ‥もっと自分に甘くていいんじゃないかな」って思うんです。
片付けで叶えられることは、びっくりするほどたくさんあるけど、でも、片付けしなくちゃだめだとか、片付いてれば片付いてるほどいいとか、そういうことはないと思います。
そのためには、私みたいに、誰かと比べたり無理したりするんじゃなく、自然に、自分に「どうなりたい?」って聞いてみたら、案外あっさり解決するかもしれません。